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司法試験(裁判官、弁護士、検察官)

国家資格 25%前後
かなり難しい 2年〜3年以上
※法科大学院を含む
・法科大学院の修了者
・予備試験の合格者

司法試験は合格すれば弁護士・裁判官・検察官の法曹三者になることができる日本で一番有名な国家試験です。

旧司法試験は超難関の試験でしたが、新制度に移行したことで合格率も高くなり、司法試験受験者の約3割の人が法曹三者になれる試験へと変更になりました。
ただし、司法試験は5年間に5回までの受験制限があり、5回不合格になってしまうと残念ながら法曹三者への道は閉ざされることになります。

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資格区分 国家資格
受験資格

1.受験時において法科大学院の課程を修了、かつ5年間の期間において受験回数制限(5回)の範囲内である者。
※受験年3月までに法科大学院の課程を修了する見込みの者は、同課程を修了する見込みであることを証する書面を提出することにより出願できる。

2.司法試験予備試験に合格した者。

試験日

【平成26年度】
論文式試験:5月14日・15日・17日
短答式試験:5月18日

短答式試験成績通知書発送:6月5日
合格発表:9月9日
申込期間:11月22日〜12月5日

試験会場 札幌市・仙台市・東京都・名古屋市・大阪市・広島市・福岡市
試験科目 ◇短答式試験
◇論文式試験
受験料 28000円
問い合わせ先 法務省
司法試験
合格体験記
不合格体験記
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司法試験(裁判官、弁護士、検察官)詳細
資格情報

資格取得ルート

弁護士など法曹三者になるには2つのルートがあります。

1.法科大学院ルート

大学を卒業し、法科大学院に入学するルート。
法科大学院入学のために適性試験を受験し、その後、各法科大学院の個別試験を受け、法科大学院に進学します。
試験は書類選考や面接、小論文などの成績で総合的に判断され、既修者コースでは法律科目の試験もあります。

授業料などの影響で国立大学のほうが人気があり、私立では定員割れの所も。
法科大学院の入学難易度は、だいたいは大学の偏差値順に、1位東京大学、2位京都大学。

法科大学院の授業料は国立で年額100万程度、私立はそれ以上で100万〜200万程度。
しかし、授業料+生活費など、とにかく金銭的に厳しく、奨学金もあるにはありますが、十分なものではないのが現状です。
法律の知識だけでなく、金銭的な余裕も合格に必要な能力といえます。
夜間に開講している法科大学院もあるので、社会人の方は視野に入れておきたい。

法科大学院入学後、法学既修者は2年、未修者は3年後に司法試験の受験資格が得られることになります。

大学卒
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適性試験
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各法科大学院個別試験
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法科大学院入学・修了
( 法学既修者2年、法学未修者3年)
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司法試験受験資格獲得
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司法試験合格
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司法研修所(1年間)
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司法修習生考試(二回試験)
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弁護士、裁判官、検事など。

2.予備試験ルート

司法試験予備試験に合格し、司法試験の受験資格を取得するルート。

平成23年から実施されている「司法試験予備試験」に合格して、司法試験の受験資格を取得します。
法科大学院に通う必要が無くなるため、最短のルートで司法試験にチャレンジする事ができますが、予備試験の合格率は約3%とかなりの難関となっており、相当な実力がないと選択できないルートです。

驚くべき事に司法試験予備試験合格者の司法試験の合格率は70%を超えています。
難関の司法試験予備試験をクリアしているだけあり、相当に能力の高い受験者が選抜されているようです。

司法試験予備試験
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合格
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司法試験受験資格獲得
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司法試験合格
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司法研修所(1年間)
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司法修習生考試(二回試験)
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弁護士、裁判官、検事など。

現在の状況

資格を取得すれば誰でも高収入が約束されていた以前の状況とは異なり、合格者が大幅な増員となったことによって、法曹界は大変な状況になっています。
中でも、新人弁護士への風当たりはかなり厳しく、就職に苦労することが当たり前の残念な状況に。
しかし、弱者を助けるその職務内容は一般の仕事とは比べものにならないほどのやりがいがあることでしょう。

難易度は?

司法試験の難易度について

旧司法試験のような超人的な難易度からは大分易化しましたが、依然として難易度は高い。
ただ、合格率が上がったことによって合格までの道筋をある程度、計算できるようにはなりました。

【司法試験の合格率】()は女性
    受験者 合格者 合格率
平成25年 全体 7653人 2049人
(477人)
26.7%
既修者コース 3152人 1209人 38.3%
未修者コース 4334人 720人 16.6%
予備試験 167人 120人 71.8%
平均年齢:28.37歳
最高年齢:57歳
最低年齢:20歳


司法試験は5回までしか受験できない。

司法試験の受験は5年間の期間に5回までと制限があります。
受験は3回までと決められているため5回までに合格できなかった受験生は法曹三者への道が閉ざされることになります。
2009年度の試験では571人が受験資格を失いました。
受験資格を失った人達に対しての救済策などは、とられていないのが現状で、合格できなかった場合のことも考えておく必要があります。

司法試験とお金について

司法試験合格後の話になりますが、今までは司法修習生になると国から公務員扱いとして月額20万円程度の給与が支給されていましたが、 今後は廃止になる予定で、受験生はますます金銭的に厳しくなります。※司法修習生のアルバイトは禁止されています。
*2010年11月からの司法修習生に対しては、給費制を廃止し、生活費を貸し出す貸与制に変更される予定でした。(貸与制は基本月額23万円を無利子で貸し付け)
しかし、それでは金銭的な負担があまりにも高くなり、裕福な人しか法曹界を目指す事ができず、また、その結果として優秀な人材の確保が難しくなる恐れがあるため、政府は給与支給の制度を継続する方向で調整を行っています。(2010年9月)
貸与制への変更を1年間延長し、2011年10月まで給費制が継続される予定(2010年11月)
貸与制へ移行(2011年から)

-新人弁護士の借金-
受験生の中には高額なロースクール等の費用のために、奨学金などの形で借金を重ねながら勉強しているケースも多く、試験に合格したものの、数百万円の借金を抱え、マイナスからのスタートになる新人弁護士も珍しくありません。
新63期を対象にしたアンケートでは、 1528名中807名(52.8%)が法科大学院で奨学金を利用したと回答し、具体的な金額を回答した783名の利用者が貸与を受けた額は最高で合計1200万円、平均で318万円でした。
司法試験を考えるなら金銭的な余裕は持っておきたい。
現状のシステムでは余裕がないと状況は厳しい。

仕事内容は?

仕事内容について

職場にも左右されますが、法曹三者問わず基本的に忙しい。
弁護士なら依頼人との打ち合わせから、裁判の手続きなど、とにかく仕事に追われる日々になりそう。
裁判官や検察官の場合は、数年ごとに全国各地に転勤することが通常です。
弁護士の1週間の労働時間は50時間〜60時間以上が50%以上。
週60時間以上働いている弁護士の割合も30%を超えています。

大都市ほど企業、トラブル、人口等が多く需要が多い。
そのため弁護士は東京と大阪に集中している状況で両都市に需要が集中しています。
※東京の方が圧倒的に多い。

収入は?

収入について

裁判官、検察官、弁護士、就労形態にも左右されますが基本的には高収入。
ある程度の経験をつめば年収1000万以上も珍しくない。
難関の司法試験を突破すれば、弁護士、裁判官、検察官の3者、いずれにしても高収入が期待しやすいといえます。

弁護士の収入状況

2010年に行われた日弁連の調査によると、弁護士の平均所得は1471万円で、高収入が期待できる職業ではあるようです。
ただ、弁護士の増員の影響で2000年の同様の調査からは200万円以上も減少しています。※(2000年は平均所得1701万円)
所得1000万円未満の弁護士の割合も約51%。

そして、残念ながら新人弁護士の年収は合格者増員の影響で下降の一途。
かなり厳しい状況で平均年収は400万円にも満たないと言われ、イソ弁で年収300万円程度の状況も珍しくはありません。

大手弁護士事務所の収入状況

4大事務所と呼ばれる、大手弁護士事務所などでは、一般の新人弁護士とは大きく状況が異なります。

◇西村あさひ法律事務所
◇長島・大野・常松法律事務所
◇森・濱田松本法律事務所
◇アンダーソン・毛利・友常法律事務所

4大事務所では新人時から1000万以上の収入が約束され、年収300万円程度も珍しくない一般の新人弁護士とは大きな差があります。
その分、司法試験の上位合格者であったり、難関大学の出身であったりと、他に秀でた能力がないと大手事務所への就職は厳しいようです。

弁護士としての就職に有利な条件

弁護士としての就職に有利な条件としては以下の条件が挙げられます。
ある程度の規模以上の弁護士事務所では、特にこれらの傾向が強いようです。

◇法科大学院修了後、司法試験に1回で合格している。(受験は3回まで可能ですが、1発合格者の評価が高い)
◇司法試験の順位が良い。(3桁以内の順位が望ましい、4桁の順位は足きりになるところも)
◇東京大学、京都大学、早慶など名門校の出身である。

検察官・裁判官の収入状況について

公務員である検察官、裁判官は採用初期には500万円程度の年収ですが、経験を積むにつれて1000万円以上の年収になることは間違いありません。
検察トップの検事総長で約3000万円、裁判官のトップの最高裁長官約4000万円の年収です。

将来性は?

将来性について

登録だけで税理士にも、弁理士にもなれる司法試験合格者が「職にあぶれる状況」は起こりにくいと考えられていたのですが、現在では、就職しにくい状況に陥っています。

就職について

司法試験の合格者は弁護士になることができますが、裁判官と検事には任命されないとなることはできません。
なれるか否かは、人格や司法研修所での成績によって決定されます。
現状では、検察官、裁判官ともに100名程度の採用数となっています。

【弁護士について】

現在、就職先の確保がかなり厳しくなっています。
合格者が増加した結果、弁護士事務所の需要を超える多くの新人弁護士が誕生し、多くの合格者が就職難に陥っています。

新人弁護士の場合はどこかの弁護士事務所に雇用され、経験・実績を積みながら給与をもらう通称「イソ弁(居候弁護士)」が一般的な形でしたが、最近の雇用状況の変化により「ノキ弁」が増加傾向にあります。

「ノキ弁」とはノキ(間借り)を貸して貰う弁護士のことを言い、事務所に雇用され、給与を貰う形ではなく、事務所の一角を間借りし独立して仕事を行う形になります。
独立採算制のため、給与は出ず、仕事を回してもらいながら経験を積み、人脈や得意先を増やすべく活動します。報酬は仕事をした分だけが収入となります。

その他にも、以下の労働状況があります。
○弁護士事務所に就職できずに、自宅で仕方なく開業する「タク弁」
○仕方なく、経験も不十分なままに資格取得後に即、独立開業する「ソク弁」「即独」
○事務所などを借りる費用が無く携帯電話一本で仕事をこなす「ケータイ弁」

経験も仕事を獲得する能力も不十分なこれらの状況では、当然ながら、収入は・・・。
弁護士も営業力が成功のカギとなる時代がきたのかもしれません。

現在の就職難の影響で、企業内弁護士として活躍している弁護士も増加傾向にあります。
2002年には東京77人、大阪2人、その他の地域は0人の79人でしたが、2008年度には東京239人、大阪17人、全国で267人にまで増加しています。

仕事の内容は、その法律知識を生かしてのものはもちろん、経営戦略や事業戦略に関するブレーンとしてのものも多いそうです。
収入面では弁護士資格手当を支給したり、昇進面では一般社員よりも昇進スピードを上げる優遇措置を行っている企業もあります。
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【裁判官について】

裁判官になるためには司法研修所での司法修習生時代に任官希望(裁判官になる希望)を表明する必要があります。
最高裁判所の人事課で成績や人格などが総合的に判断され、認められれば採用となります。
一般的に修習や二回試験の「成績優秀者」でないと裁判官にはなれません。
裁判官は膨大な資料や訴状を迅速に処理することが求められるため、司法試験合格者の中でも上位の能力がないと職務の遂行が難しいようです。
※任官希望者であっても、指導官が厳しいと判断した場合はあきらめるように「肩たたき」があるそうです。

[平成24年12月]
判事補採用:92人
その内、女性:28人
平均年齢:26.49歳
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【検察官について】

検察官になるためには裁判官と同様に司法研修所での司法修習生時代に任検希望(検察官になる希望)を表明する必要があります。
法務省の人事課で成績や人格などが総合的に判断され、認められれば採用となります。
裁判官ほど成績は要求されませんが、修習中の成績や二回試験の成績が優秀でないと厳しいようです。※こちらも裁判官と同様に、任検希望者であっても、指導官が厳しいと判断した場合はあきらめるように「肩たたき」があります。

[第64期検事任官者]
任官者数:71人
女性:24人
合格者平均年齢:27.3歳(女性27.1歳)
最高年齢:33歳 最年少:23歳
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